2017年08月02日

比べる心

人が二人集まると、それぞれに自意識が生まれ、自分と相手とを比べる心が芽生えます。一人でいた時にはなかった心です。比べる心は良い時もあれば悪い時もあります。悪い時というのは、「上下・勝ち負け」という具合に、両者に価値の差をつけることです。反対に良い時というのは、「お互い様」というふうに両者の価値を等しく見ることです。前者は、喜びと苦しみの繰り返しで、落ち着きなく、心は乱れ、疲れ果てます。後者は、感情の起伏が抑えられ、いつも穏やかでいられます。

私たちは常に比べていますし、また比べられてもいます。人が集まって暮らしている以上、この関係が消えることはありません。そうであるなら、この関係の中にあっても、変わらず幸せでいられるような心のあり方を探すべきなのです。

人は必ず死ぬものです。80年もたてば誰でも死にます。先を争ったところで何になるでしょう。すべての人が等しく「死」という同じ運命を持っているのに、「上下・勝ち負け」といった差をつけて、それがいったい何になりますか。上にいる人は、下に落ちないか不安で仕方がありません。勝っている人は、負けることが不安で仕方がありません。本当の幸せなど手にしていないのです。

誰でも死ぬのなら、それはまさに「お互い様」というものです。「自分も人も同じだ」と思えば、褒められても踊らず、けなされても沈まない心が育ちます。これが、変わらない本当の幸せというものです。河野進の詩をご紹介しましょう。

争って先きがけするより
途中もみんなと仲よく行きたい
どうせ海に落ちつくのだ
あくせくせずに
悠々と参ろう

posted by むしょうさん at 07:53| Comment(0) | 人生相談