2016年12月05日

『修証義』 第16節

「しゅしょうぎ」は、道元禅師(1200−1253)のお言葉を集めて作られた曹洞宗の基本聖典です。仏教の要点を全31節にまとめて、仏さまの教えを優しく解説しています。皆さまに仏教とのご縁を深めていただきたいと願い、古文形の『修証義』を現代語に翻訳しました。卒業論文で初めて試みて以来、この作業は私のライフワークになりつつあります。私の等身大の『修証義』としてご覧いただければ幸いです。

【第16節 現代語訳】
これらの〔十六条の〕戒律を授かれば、お釈迦様と同じさとりを得ることが約束されるのです。賢明な人で、これを願わない人がいるでしょうか。お釈迦様は次のように仰っています。「受戒した人々は、仏の仲間入りをしたのである。仏と同じ位に就くことが約束されたのである。仏の子になったということである」と。

【ミニ法話】
受戒を機に、私たちは「仏の子」となります。正真正銘の「仏」へと至る道、それも脇道のない一本道を歩み始めるのです。これはたいへん重大な転機です。なぜなら、受戒するまでは俗世の人間として無闇に罪を犯し続けていたのが、受戒した後は「仏の子」という自覚のもとに、仏として振る舞うようになるからです。「殺さない」という戒律は「殺せない」に、「嘘を言わない」という戒律は「嘘を言えない」に昇華していきます。仏として振る舞い続けるには忍耐(忍辱)と努力(精進)が必要です。私たちの心はとても弱く、油断すると、もとの俗世の感覚に戻ってしまうからです。努力は、さとりを得て「仏」となる日まで続きます。ある高僧は努力について「仏の生き方を真似ることだ。一日真似れば一日の真似。二日真似れば二日の真似。一生真似れば本物」と言いました。では、「仏の生き方」とは何でしょうか。それは「他人の幸福のために生きる」というただ一点です。

タグ:お経を読む
posted by むしょうさん at 00:00| Comment(0) | 現代語訳『修証義』
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