2017年05月13日

『修証義』 第20節

「しゅしょうぎ」は、道元禅師(1200−1253)のお言葉を集めて作られた曹洞宗の基本聖典です。仏教の要点を全31節にまとめ、仏さまの教えを易しく解説しています。皆さまに仏教とのご縁を深めていただきたいと願い、古文の『修証義』を現代語に翻訳しました。卒業論文で初めて試みて以来、この作業は私のライフワークになりつつあります。私の等身大の『修証義』としてご覧いただければ幸いです。

【現代語訳】
菩提心(ぼだいしん)を起こした人は、たとえ生まれ変わりを繰り返そうとも、その過程はすべて、最終的な涅槃(ねはん)のための準備になります。しかし菩提心を起こさなければ、ただ虚しく生まれ変わりを繰り返すだけで、涅槃の準備にはなりません。ですから、今までの人生を虚しく過ごしてきたと思うなら、命が尽きる前に急いで菩提心を起こしなさい。菩提心とは、たとえ涅槃の境地に入ったとしても、その境地を一人で楽しまず、またそこに安住せず、なおも他人を救おうと努力することです。お釈迦様は俗世間から解脱して、一人涅槃の境地を楽しむことができたのに、そうはせずに虚しく苦しい俗世間にとどまって人を助け続けました。これが菩提心というものです。

【ミニ法話】
菩提心とは、簡単に言えば、自分の利益よりも人の利益を優先するということです。自分の楽しみや喜びは、ひとまず後回しにして、人の楽しみや喜びのために努力することを言います。
仏教は、生命の「生まれ変わり」を説きます。そして、「生まれ変わり」は決して嬉しいことではなく辛いことだと教えます。どんな世界に、どんな姿形で生まれ変わろうとも、老病死の苦しみ、愛する人と別れる苦しみ、欲しいのに手に入らない苦しみ等が必ず付きまとうからです。ですから、生まれ変わりというサイクルから抜け出て、苦しみのない平穏な世界(これを「涅槃」といいます)に行くことをすすめるのです。その涅槃に行くための唯一の条件は、「菩提心を持つ」ことだと教えているのが本節です。

タグ:お経を読む
posted by むしょうさん at 12:43| Comment(0) | 現代語訳『修証義』
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