2017年06月29日

『修証義』 第21節

「しゅしょうぎ」は、道元禅師(1200−1253)のお言葉を集めて作られた曹洞宗の基本聖典です。仏教の要点を全31節にまとめ、仏さまの教えを易しく解説しています。皆さまに仏教とのご縁を深めていただきたいと願い、古文の『修証義』を現代語に翻訳しました。卒業論文で初めて試みて以来、この作業は私のライフワークになりつつあります。私の等身大の『修証義』としてご覧いただければ幸いです。

【現代語訳】
人を喜ばせ、幸せにする方法に四つあります。@布施(ふせ) A愛語(あいご) B利行(りぎょう) C同事(どうじ)です。これらは、お釈迦さまの智慧であり、利他を誓った私たちの約束でもあります。布施とは、物でも心でも惜しみなく人に与えることです。別の言い方をすれば、「欲しがらない」ということでもあります。本来、物も心も実体はありません。すべては因縁によって生じ、因縁によって消滅するだけで、一定ではなく常に変化しています。ですから「私の物」「私の心」といった固定した存在はありません。そうしたものに執着する必要はないのです。また、与えるものの価値は問題ではありません。人を喜ばせ幸せにしたいという思いがあれば、それで良いのです。たった一語の言葉でも、ひとつまみの草でも構いません。見返りを求めずに、あなたが与えられるものを与えることです。商売にはお金が付きものです。しかし自分が生きる糧以上に欲しがらず、人を思いやる心があるなら、商売もまた立派な布施と言えるのです。

【ミニ法話】
 布施(ふせ)は仏道修行の根本です。修行ができているかどうかは、布施ができているかどうかです。惜しみなく人に与えるには、なるべく持ちものを持たず、身の回りを質素にしておくことです。全部投げ捨てて、すっからかんな人は、物に執着することがないので、惜しむことなく与えることができます。反対に持ちものが多い人ほど執着心が強いので、与えることが難しくなります。
 私は、これまで色々なものを捨てて来ましたが、現に「住職心得」という地位を持っています。いずれは「住職」という地位を持つことになります。これは、信者様がその肩書を信頼してくださるという意味では役に立ちますが、それ以外では、私の執着心を増長させる危険なものです。俗世間に生きて、当たり前のようにお金や物や地位に囲まれて生活する人々が執着心を捨てることは難しく、よほどの自覚がなければ布施もまた難しくなります。

タグ:お経を読む
posted by むしょうさん at 07:21| Comment(0) | 現代語訳『修証義』
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