2018年06月05日

問い:苦しみはどこから来ますか?

答え:私たちの所有欲からです。

苦しみは、すべてのものに対して「自分のもの」と思い込んで、それに執着することから生じます。すべてのものはただ変化し消滅するだけのものなのに、私たちは不変不滅を望みます。そしてその望みは決して叶えられません。そこに苦しみが生じます。一番身近な例は自分の体です。誰もが自分の体は自分のものだと思い込んでいます。ところが、所有物にもかかわらず、私たちは皺や白髪が増える老化を一秒も止めることができません。病気になることも死ぬこともそうです。いつまでも若くいたい、死にたくないと望んでも、結局は失望することになります。何一つ思いどおりにはならないのです。これで本当に自分のものと言えるでしょうか。もともと所有できないものを所有しようと無駄な努力をしているように見えます。

所有欲の正体は「自分の思いどおりにしたい」という心です。しかし実際には何一つ思いどおりにはなりません。自分の体一つ思いどおりにできないのに、どうして他のものを思いどおりにできるでしょうか。苦しみを減らすには、この世のものはただ変化し消滅するもの、何事も自分の思いどおりにはならず、所有することはできないと思い直すことです。愛する人、愛する人の心についても同じです。

「自分のものではない」と思い直すことは、心が冷めたり、諦めたり、人のことなどどうでもいいと投げやりになることとは違います。むしろ逆です。それは、特定の人に執着するのをやめて、全ての人に対して平等に慈しみの目を向けるということです。私は私のものではなく、彼も彼のものではありません。全ての人が無常の世界に住みながら常住を求めて苦しんでいます。皆が同じ境遇にあるのです。私たちは同じ悲しみを背負った同胞です。互いに憐れみ、優しくしあうのが自然な姿と言えるでしょう。


posted by むしょうさん at 13:34| Comment(0) | 人生相談
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